【初心者向け】確実に10倍株を買うシンプルな方法

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はじめに

株式投資について調べていると10倍株やテンバガーと言う言葉を目にします。株式投資の成功の象徴のように感じる人も多いでしょう。雑誌やWebなどでも定期的に「次の10倍株特集」のような記事を掲載しています。そのような記事を見るとまるでそこに本当のチャンスがあるかのように語られていて、自分でも狙えるのではないか、と思ってしまうかもしれません。

今回は10倍株を買うにはどうしたらいいのか、というテーマを掘り下げてみようと思います。さて、本当に“再現性のある投資対象”なのでしょうか。

2024年の値上がりランキングを確認

早速ですが、直近の10倍株を調べてみました。今もう2025年12月ですが、あえて2024年の1年間で株価が大きく上昇した銘柄のランキングを見ながら話を進めていきます。

第一位:[3350]メタプラネット

 2024/1/4の始値=18円 → 2024/12/30の終値=348円(19.3倍)
 そこからさらに
 2025/6/16の高値=1930円(107倍)

第二位:[4935]リベルタ

 2024/1/4の始値=342円 → 2024/12/30の終値=4690円(13.7倍)
 そこからさらに
 2025/1/6に高値=6600円(19.3倍)

夢がありますね!

さすが10倍株。特に第1位だったメタプラネットは2024年1月時点でたった18円ですので、これ1万株買っても18万円です。348円になった年末に売ったら348万円。翌年6月16日まで待てば1930万円です。10倍株ならぬ100倍株です

このような実例を見ると、やはり株式投資でお金持ちになることはできるんだ、と思ってしまいます。実際の株価の記録ですので現実です。

持ち続けたらさらに億万長者か?!

では、10倍以上になった後も持ち続けていれば、さらに資産は増え続けたのでしょうか。実際のその後の株価を見てみます。これだけ株価が上がった銘柄なのですから、そのあとも株価がグングン伸びるのかと思って観察してみましょう。

[3350]メタプラネット

 2025/11/18時点で336円 高値のおよそ1/6まで暴落
 2025/12/12現在で442円 戻っても高値の1/4

[4935]リベルタ

 2025/4/7時点で974円 高値のおよそ1/7まで暴落
 2025/12/12現在で1860円 戻っても高値の1/3

待てば100倍?!

[3350]メタプラネットが100倍になったのだから[4935]リベルタも100倍の3万円まで……と待っていたら3か月でここまで株価が落ちました。

これでも2024年1月当初の株価を基準に考えると3倍ですので立派なものですが、株価が3倍になる銘柄というのは中小型株では珍しくもありません

ちょっと怪しいぞ…?

さて、10倍株の実態が少しわかってきた時点で、10倍になった時点できれいに売り抜けることができるのか?と考えてみたいと思います。

確かに一時的には10倍、20倍になりました。しかし「高値で売り抜けられたか?」と問われると、話は別です。10倍株と言うからには10倍になった“その瞬間”で売ることが必要になりますが、それができる人はほとんどいません。なぜなら株価が10倍になる保証などどこにもなく、また10倍になったところが頂点であることも事前にはわかりません

[3350]メタプラネットなどは10倍どころか100倍になりました。10倍で売ってしまったら、100倍になるチャンスを失うことになります。

今年の2025年の急騰銘柄ではなく、あえて2024年を例に挙げた理由はこういう事です。10倍株というのは長期で見た場合にはその株価チャートの一部の外れ値を取り出しただけです。

確実にこれを買う方法、あります

ここで少し意地の悪い問いを立ててみましょう。

もし「確実に10倍株を手に入れる方法」がたった一つだけ存在するとしたら、それはどういった手法だと思いますか?

宝くじで確実に7億円を当てる方法

ここで一旦話題を変えますが、宝くじで7億円を確実に当てる方法があります。年末ジャンボ宝くじ1等5億円、前後賞1億円、それぞれ合わせて7億円です。つまりこの連番を確実に買う方法です。どういった方法でしょうか?

宝くじを1ユニット全て買う

それは

10万通りの番号が200組あるので、合計2000万通り(1ユニット)、それをすべて買う

というものです。1枚300円なので必要資金は約60億円となります。

理論上は、確実に当たります。実際に1ユニット全部という買い方ができるかどうかはちょっと分かりませんし、そのくじを置いておく場所も苦労しそうですが、全ての組み合わせを持っているので、どんな番号が当選しても確実に自分の倉庫にはその宝くじが存在します。

すごいですね、7億円当たるわけですから一発でお金持ちです。もっとも、それをやるためには、そのような下らない遊びに60億円出せる大富豪であることが条件ですが。

宝くじの期待リターン

60億円分を買って7億円が当たるならば53億円の損なのかと言うと、そんなことはありません。2等以下もあるので、それらのくじがどれだけ当たるかで損するか得するかが決まります。しかし「どれだけ当たるか?」と期待したところで、1ユニット丸ごと買った時点で一等以外の全ての当たりくじの数も分かっているため、60億円の投資に対するリターンが厳密に計算可能です。そのリターンは50%となります。これは偶然50%になったのではなく、法律(当せん金付証票法 第5条)で50%以下になるように設計されている商品だからです。

半分も戻ってこないぞ、と言う方も多いと思いますが、1等なども全部合わせた期待値ですので普通に買った人は10~20%程度のリターンになるのは感覚として正しいです。

東証の全銘柄を100万円ずつ買う

さて、先程の質問に戻ります。確実に10倍株を買う方法、でした。ここまで読んだ皆様はなんとなく話の流れが見えてしまったかもしれませんが、同じ発想を株式市場に当てはめてみましょう。

3900社あるので必要な資金は39億円

要するに宝くじ全部買うのと全く同じことを東証でやります。

東証上場企業は約3900社あります。各銘柄を100万円ずつ買うとすると必要資金は約39億円になり、小規模な投資信託の運用金額になってしまい、全く非現実的です。

ミニ株なら1株で買える

現在はミニ株制度があり、1株単位で購入できます。東証の全上場企業の平均価格というものが直接調べられませんでしたが、東証はプライム/スタンダード/グロースの単純平均価格を公表しており、銘柄数で加重平均するとざっくり2100円になります。ラフな試算ですが、仮に上場企業の平均株価を2100円とすると、全銘柄を1株ずつ買うのに必要な資金は約800万円です。

要するに800万円かけて全銘柄を1株ずつ買います。

1株とはいえ全銘柄になると相当な投資額ですが、そこまで非現実的な金額というわけではありません。数年に分ければNISAの金額範囲内でも運用可能な範囲です。

10倍株が埋まっている

さて、何のためにこんなことをするのかと言えば、10倍株を掘り当てるためでした。全部買ったわけですから1年後にはいずれかの株は10倍に上がるでしょう。仮にその1年でどの銘柄も10倍にならなかったとしても2年、3年と経過するごとに次々と10倍株が現れます

東証を全部買う期待リターン

ここで期待リターンについて考えます。宝くじだと、50%でした。

ところが東証の全銘柄を買う場合は、東証全銘柄の分散ファンドを持っていることと同じなので、結果的に市場が成長すれば、意外にも平均すると儲かってしまうという可能性すらあります。
全銘柄を1株買う、という運用ルールですのでその資産構成を考えると値段の高い株、値がさ株ほど保有割合が上がります。

「単純株価が上がっている株=市場が評価している株」に資金を多く割り振る順張り投資のスタイルになるので、結果的にここ最近の上昇相場では相当儲かってしまうかもしれません。

その儲けの主力はもちろん10倍株ではなく、普通に20%とか50%とか値上がりした株です。株価100円の銘柄が10倍になっても900円しか儲かりませんが、株価5000円の銘柄が50%上昇しただけで2500円の儲けです。

TOPIX全部買う

インデックス投資と同じリスクでありながら、10倍株を持てるとはなんと素晴らしい事でしょうか。ならば同一リスクでありながらさらに追加で10倍株も狙える?と思ってしまいますが、インデックス投資は10倍株も上場廃止株も全部合わせた合計ですので、「10倍株になった銘柄以外の資産総額」はインデックスに劣後します。そんなうまい話は無いということです。

インデックス投資と言うならば、ここで日経平均を考えてみましょう。日経平均は225銘柄ですのでミニ株ならば全部買うのも容易です。しかし日経平均採用銘柄は既に十分に評価と分析がされていて何より流動性も高いので、今更短期間で10倍になることは考えにくいです。

それならばTOPIXを考えてみましょう。東証銘柄を全部買うのは大変ですがTOPIX銘柄であれば数が減るので買いやすくなるでしょうか?せっかくTOPIX銘柄を買うのだったら、TOPIXにあわせて時価総額に合わせたほうが無難な気がしますが、もっと簡便な方法は無いでしょうか?

あ、ちょうどいいのがありました。TOPIX投信です。TOPIX全ての株を買うのができない人は投信を買いましょう。TOPIX投信はTOPIX銘柄それぞれの現物を時価総額比例で保有していますので、これで簡単に10倍株があなたのポートフォリオの中に加わります

分散と集中

これはつまり、分散と集中のトレードオフの話に行き着きます。

例えば大規模な投資家には200銘柄くらいに分割して投資してる人がいますが、こういう人はおそらく10倍株を何度も当てているはずです。3年、5年と考えていくと株価が10倍になる銘柄はいくらでもあります。しかしその銘柄に投入される資金は全体の0.5%なので、資産のうち0.5%が10倍になっても4.5%増えただけです。したがって一つ一つの銘柄が10倍株になるかどうかなど興味の対象ではありません。何よりそれだけ買えば、いくつかの銘柄が10倍になることなど事前に想定済みです。

10倍株があるのならば、それだけ暴落する株もあるはずです。そのためどの銘柄が上がるか下がるかではなく、保有している200銘柄全体が着実に4%上がってくれることを期待したいです。
その逆に、1銘柄だけ買って一点集中すると、運良く株価が上がる可能性はありますが、同程度下がる可能性もあります。

全ての市場参加者は株価が上がると思ってそれぞれの銘柄を買っているので、ネット記事やyoutubeで紹介された銘柄を買うような人が、プロも含めた全ての市場参加者に対して勝てると信じる理由は無く、そういう投資初心者を平均するとそのリターンは市場インデックスを下回ります

10倍株どこ行った?

不思議ですね。10倍株を確実に買いたい、という話だったのに、結果としてインデックス投信を買うのが最適という話にすり替わってしまいました。この方法は確実に10倍株を持てますが、資産の増減はそのインデックスと完全に同じになりますのでお金持ちにはなりません

10倍株を狙いたい、と言う人は「5倍ではだめ、20倍も要らない、ピッタリ10倍になるものが欲しいんだ」と言うわけではありません。ごく少数の銘柄を全力で買うから、その銘柄の株価だけが大きく上がってほしい、という何のひねりもないただの願望です。「お金が欲しい」と言っているだけではないですか?

「10倍株を確実に買えるってそういう意味じゃないだろ、嘘つき」

と言われそうですが、私はあくまで「確実に買う方法」を宣言通りに示したのであって「お金持ちになる方法」と言ったわけではありません。むしろお金持ちになりたければ狙うのは10倍株ではなく個別株運用でポートフォリオを組んで「1年間で20%上がる株=1.2倍株」を資産全体で確実に拾っていくことです。プロ投資家はそれをやっています。

株でお金持ちになる方法

10倍株を探している人にハッキリお伝えしておきたい事が一つあって、株式投資で確実にお金持ちになる方法は確かに存在しますが、それは10倍株の様な丁半博打ではありません。その方法とは、長期でも短期でもどちらでもいいのですが、市場インデックスを上回る売買ルールを組み立てて着実に繰り返していくことだけです。初心者が何をやるべきかはこの記事に書きました。

初心者がここを勘違いして分からなくなる理由は「株でお金持ちになった人」の中には「偶然ギャンブルに勝っただけの人」も結構な割合で存在するからです。そういう人が「ここ一番で勝負に出ないとダメ」などと言うノイズをまき散らします。

アルパカ先生
アルパカ先生

株で儲けることとは、そのイメージと反対にとても地味で面倒で退屈なものです。

10倍株の真実

期待値が市場インデックスと同じという条件下で10倍に値上がりする株を狙うとは、9倍の確率で株が紙くずになる事を受け入れることと同じです。市場インデックスと同じ期待リターンなのに、なぜわざわざリスクをとる必要があるのか?これは宝くじを買う人と同じ行動原理と言えます。

「10倍株」という単語に集まる人は投資リテラシーが明確に低いので、まずは初歩レベルでいいのでポートフォリオ理論を勉強してください。そして素直にインデックス投信を買って、そのファンド構成に含まれる大量の銘柄のうちいくつかが10倍株になって資産が少しづつ増えていくことを期待しましょう。

もちろん熟練の投資家は10倍株を多数保有していますが、それは長期的に値上がりすると分析して買った多数の銘柄のうち一つがドカンと値上がりし、利確を焦らずにずっと我慢して見ていたら結果株価が10倍になっていた、ということです。10倍株という情報に踊らされて自分でも分かっていないギャンブル銘柄を買わされる投資初心者とは全く違います。

10倍株は宝くじと同じ

宝くじで7億円当てる人が現実にいるように、10倍株も現実に存在します。しかし事前に分かる人はいません。誰にも分からないギャンブルなので雑誌やネットで「10倍株」という文字を見たら「ロト6必勝法」と同じレベルの話と思わないといけません。まさかこれを読んでいる人の中に宝くじに必勝法があると信じている人はいませんよね?

10倍株になる!と信じて全財産を投入するのは全財産で宝くじ買うのと同じです。宝くじと違うのは期待値が1.00を上回ることですが、それを主張するならインデックスを買う方が良いです。

こういう素人が市場の養分になる

一発逆転を狙って集中し、外れれば市場から消える。それが10倍株幻想の正体です。

「10倍株を狙う」ということが一体どういうことなのか分からない、分散と集中の意味が分からない、そういう素人が何か儲かる情報はないかと嗅ぎまわっているうちに、変なもの買わされる。意地の悪い言い方をすると、こう言う素人がプロ投資家の養分になってしまいます。プロ投資家と殴りあって負けるならまだましな方で、多くの人はそもそも市場に入る前に情報商材屋にお金を奪われて終わります。

アルパカ先生
アルパカ先生

というわけで皆さん、10倍株という単語を含む情報には気を付けて接して欲しいと思います。

本ブログは私の投資結果および研究成果を記録するものであり、特定の投資商品や銘柄を推奨するものではありません。

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